- フェアトレード・チョコレートの原料が生まれるところ~カカオ生産者に会ってきました!
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広報ディレクターのタネモリです。ピープル・ツリーのフェアトレード・チョコレートの主原料であるカカオ豆を生産している、南米ボリビアのカカオ農家共同組合「エル・セイボ」を訪ねてきました!
今回の訪問は、外務省NGO研究会「フェアトレードを通じた国際協力」のメンバーとして、フェアトレードの生産者の現状調査をすることが目的でした。
ピープル・ツリーでは、衣料品や手工芸製品の商品開発、品質向上のためにバングラデシュやインドの生産者パートナーを年に1~2回訪れていますが、チョコレートは最終加工地のスイスにあるフェアトレード団体「クラロ」で原料の調達を行っているため、私たちが原料の生産者に直接会う機会はなかなかありません。実は私自身、2000年以来なんと12年ぶりの訪問でした。エル・セイボは、1977年に設立されたカカオ農家の共同組合です。
ボリビア北部のアルト・ベニ地方(標高400m)でカカオ豆を栽培する小規模農家の人びとが、仲買人に言い値で買い叩かれないよう自分たちで販路を切り開こうと組合を結成したのが35年前の1977年。現在、50のコミュニティの1,200件あまりの農家が加盟し、自分たちで代表を選出して事務局や自前の加工工場を運営しています。商都ラ・パスにあるエル・セイボの事務所と工場は、ビルを建て増して12年前と比べとても立派になっていました。
ラ・パスにあるエル・セイボの事務所建物。隣に加工工場が併設され、合わせて100名が働いている
農民による農民のための組織であるエル・セイボでは、事務局や工場で働くスタッフもほぼ全員が農民かその家族で、所属するコミュニティから選出されて2~4年の任期で仕事をしています。現・理事長のフランシスコさんや監査役のソフィアさんも、260km離れたアルト・ベニ地方に自分の農園を持つ農家さん。工場で清掃の仕事をしているニコラスさんは、かつて理事を務めたこともあり、自分の最後の仕事を工場の清掃と決めて立候補したのだそう。ここでは農家の人びとが、雇用主であり従業員でもあるのです。
理事長のフランシスコ・レイナガさん
監査役のソフィア・ワリーナ・デ・アラビさん
工場の清掃スタッフ、ニコラス・アドゥビリさん
12年前は、標高3,800mのラ・パスから低地のアルト・ベニへは、曲がりくねった山の一本道をがたごとバスで下る、13時間の旅でした。今回はルレナバケという低地の町にセスナ機で移動し、そこから車で5時間。前回より少しだけ時間短縮できましたが、それでもやはり遠い。冬の東京とさほど気温差のなかったラ・パスに比べ、アルト・ベニは亜熱帯地域。まるで別の国に来たようです。オーガニック認証を受けているエル・セイボの加盟メンバーの農園では、農薬を一切使用せず、すべて人の手でカカオの世話をしています。たいていの農家は2haほどの農園に1,200本ほどのカカオの木を植えており、枝の剪定や虫の退治などを人手でこなすのは重労働。最近は気候変動による極度の湿気や日照りなどにより、以前は見られなかった病害虫も発生しており、農家の人々はその対策に頭を痛めています。2011年は記録的な不作の年で、多くの農家で収穫が平年の半分ほどに落ち込んでしまいました。
エル・セイボではこの苦境を脱するため、湿気対策として枝の剪定を指導したり、病害虫に強い品種の開発に取り組んでいます。果樹などさまざまな樹種をカカオの木の間に混植して生態系を豊かにする「アグロフォレストリー」も積極的に進められており、環境の保全だけでなく生産性の向上との多角化も目指しています。
たわわに実をつけ始めたカカオの樹フェリペさん(59歳)はカカオを育てて40年のベテランですが、自己流の栽培しか知りませんでした。15年前にエル・セイボに加盟してから、定期的に開催されるセミナーや専門技術者からのアドバイスによって接木などの技術を習得できたそうです。不作だった昨年に比べ、今年は少しでも収量が上がることを期待しているとのことでした。
あと2ケ月ほどで収穫期を迎えるカカオ農園では、たくさんのカカオの実が育ち始めていました。フェリペさんたちに少しでも多くの収入をもたらし、来年は私たちの元においしいチョコレートとなって届いてほしい、と願わずにいられませんでした。
フェリペ・パコ・ワチャヤさん(左)とタネモリ


