- ネパールより、WFTO(世界フェアトレード機関、旧IFAT)会議 最新報告
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先週月曜の朝、目を覚ますとホテルの部屋の窓に小さな顔が見えました(私の部屋は3階なのに!)。急いでメガネをかけてみると、茶色の毛をしたサルだとわかりました。ネパールのカトマンズで開催されたWFTO(世界フェアトレード機関)の年次ミーティングの初日は、こうしてスタートしました。
世界中から200人ものフェアトレード関係者が集まり、これまで2日間にわたってフェアトレードについてディスカッションしてきました。タイ、ケニア、ネパールの代表からの、まさに今この瞬間に起きている気候変動についての報告は、本当にぞっとするものでした。今アジアでは、いつもなら田植えの時期にやってくる雨が6週間も遅れているために、水分を含んだ田んぼではなく、乾燥した土地に米を飢えているというのです。そしてこの会議が行われているカトマンズの谷でも、人びとはバケツ1杯の水を手に入れるために、毎日2時間も並ばなくてはならないのです。今私が宿泊しているホテルのマネージャーと話をしたのですが、「節水にご協力ください」というメッセージを洗面所に貼るなんて、考えも及ばないとのこと。そんなことをしたら、的外れすぎてあきれられます! 会議中には、フェアトレード商品のデザインコンテストや、世界的な不況でフェアトレードがほかの製品とどう競っていくのかを討議するセッション(価値観に合ったものを購買する消費者が今後ますます増えて、追い風となりそうです!)、各地域ごとのワークショップも開催されました。
私は、アロハシャツを着た、ノリのいい汎太平洋地域のグループ「CAJUN」に参加しました。CAJUNの「J」は、ピープル・ツリーがスタートした日本のこと。その後は、ピープル・ツリーUKの代表として、規律正しいヨーロッパのグループに移り、政策に関する討議の途中部分だけ参加しました。私のファッションセンスに驚いたような視線を感じましたが・・・。
WFTOには多様性があります。それこそが私が一番好きなところです。twitter(個々のユーザーが「つぶやき」を投稿し合うことでつながるコミュニケーション・サービス )にアカウント登録をしている方がいれば、ぜひこちらで私の「つぶやき」をフォローしてください。
- ピープル・ツリーの「世界フェアトレード・デー」イベント、東京・丸ビルで開催!
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「世界フェアトレード・デー」は、私が最初に提唱して、7年前に世界同時開催したのが始まりです。フェアトレードや、そのムーブメントの多様性を祝し、各国でフェアトレードをアピールする日が必要だと思ったからです。
今年は「貧困を打ちまかせ(Beat Poverty)」、「フェアトレード+エコロジー」をテーマに5月9日(土)に開催され、会場では日本の和太鼓グループ「GOCOO(ゴクウ)」のパフォーマンスもありました。ピープル・ツリーのスタッフの1人が、プライベートの時間を利用して、メンバーとして活躍しているのです!
800人以上もの人が来場して、「世界フェアトレード・デー」に参加し、フェアトレード・ファッションショーを観たり、インドより来日したピープル・ツリーの生産者パートナーからフェアトレードがおよぼす社会的な影響と、環境保護への効果について話を聴いたりしました。私は、今月発売となる書籍『By Hand – 世界を変えるフェアトレード・ファッション』の先行販売とサイン会を行い、元「マリ・クレール」編集長のファッション・ジャーナリスト、生駒芳子さんとのトークセッションでは、ラグジュアリー・ファッションの今後の行方とフェアトレード・ファッションとについて話が弾みました。速報はこちらから!「世界フェアトレード・デー」のイベントに参加された人も参加されなかった人も、フェアトレードのお買い物をして、お友達にフェアトレードのことを話してください。それが、フェアトレードにとっての一番の大きな支援です。
- ロンドンの英国図書館で、世界フェアトレード・デーのイベント第1弾!
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左からアルバート・タッカー、ポール・マイヤーズ、アン・マッケイグ、マシュー・ロック、サフィア、ティム・スミット。英国図書館にて持続可能な経済をテーマにパネルディスカッション中
水曜日の夜、フェトレードのムーブメントで活躍する人たちとともに、ピープル・ツリーの活動と、社会および環境への正義を基盤とする持続可能な経済モデルに関する私たちのビジョンをお話ししてきました。
イギリスのフェアトレード団体「ツイン(Twin)」の前最高経営責任者アルバート・タッカーは、いつもながらのカリスマ性を醸し出していました。フェアトレードを始めた当初、どのようにカカオ農民たちと協力し、イギリス市場に彼らのカカオを入れたのか、また15年前には彼らが市場シェアの2パーセント以上を占めることになろうとはほとんどだれも信じていなかったけれど、その予想をきっぱりと覆したことなどを話しました。アルバートが特に強調したのは、「ツイン」「カフェディレクト」「ピープル・ツリー」などのフェアトレード組織は、生産者を支援して能力の向上を助けるという点で際立っているということです。生産者は、フェアトレードを土台として、さらに国内市場の開拓や現地での事業創出ができるようになる、ということでした。
カフェディレクトのCEO(最高経営責任者)アン・マッケイグは、カフェディレクトの活動のルーツについて話しました。コーヒー豆の市場価格が暴落したときに、コーヒー栽培農家が自らの資金を使って最初のコンテナ3つを出荷したこと、そのような必死の努力が、教会や市民グループの支援に支えられ、今日あるような活発なフェアトレード・コーヒーの市場を作り上げたのだと説明がありました。
「エデン・プロジェクト」のティムのプレゼンテーションは、インスピレーションにあふれた楽しいもの。私たちが自分たちのことを倫理的な企業(エシカル・ビジネス)という呼び方をするのはおかしい、従来型の企業こそ、非倫理的企業と呼ばれるべきだと話しました。会計監査も金融機関も貿易会社も、あたりまえの常識を無視して社会的・環境的負荷をまったく考慮せず、財政的利益だけを問題にして業績をとらえているところがある。自分たちの企業活動から起こる、真の社会的・環境的負荷を理解しようとさえしていない、というのです。ティムは、「自分の周りの否定的な人たちなんか殺してしまえ(もちろん、文字通りの意味で言っているわけではありませんよ)」と冗談を交えながら言い、すでに困難な状況の中で前向きな変化を起こしていくのに、そうした否定的な言動は足を引っ張るだけだから、と強く助言していました。
では、私は何をお話ししたでしょうか? 私の話は、ピープル・ツリーの活動を通して、社会的に弱い立場にある人びと、例えば農村のコットン栽培農家や職人たちにいかに利益がもたらされているか、環境面でも恩恵があるか、という内容です。そして、ピープル・ツリーが発足した当初は、一歩一歩がどれほど小さな歩みであったかということもお話ししました。それぞれのスピーチは、英国図書館のウェブサイトに掲載されていますのでお時間があればご覧になってください(英語)。
- プライマークへの抗議
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トゥーティングに新たにオープンするプライマークの店舗の外で、本日5月2日に抗議活動を計画していることを報道で知り、店は慌てて予定より1日早く昨日オープンしました。それでも、ピープル・ツリーやウォー・オン・ウォント(War on Want:窮乏との戦い、貧困問題の解決を目指すイギリスのNGO)のサポーターたちが土曜日の朝に早起きして、プライマークの企業倫理に懸念を表すことを止めることはできませんでした。
ここ2ヶ月間地元のチャリティー・ショップでボランティアとして働いてきたナシームさんと、今回の抗議活動を計画しました。ウォー・オン・ウォントが助けを申し出てくれたときは嬉しかったです。プライマークの店の前を通るたびに、うんざりするほど歯ぎしりしていましたから。こんなにまで規模を拡大するのであれば、プライマークはトゥーティングの誰も歓迎していない、ということを示すほかありません。
ピープル・ツリーのお客様やウォー・オン・ウォントのサポーター、子どもたち、ティーンエージャー、地元の住民・・・と年令も背景も様々な人たちからこんなに多くの支持を得られたのは素晴らしいことです。地元からの参加者の中には、トゥーティング選出の議員サディク・カーンもいました。
サディク・カーン議員はこう言います。「私は倫理的な貿易(ethical trading)を強く支持しています。トゥーティングのあるワンズワースを、フェアトレード・ボロウ(=特別区)にしようと地元でフェアトレードの推進に取り組んできました。
今週、私はピープル・ツリーのサフィア・ミニー代表と会いました。サフィアがプライマークに対して抱えている懸念について、また政府としてどんな措置がとれるのか話し合いました。
ウォー・オン・ウォントがまとめたすばらしい報告書、『ファッションの犠牲者Ⅱ』を読みました。工場労働者は今なお搾取を受け、かつてない最悪の財政状況に追い込まれているそうです。
報告書にあるような労働条件は、ここイギリスでは絶対に受け入れられないでしょう。私たちと私たちが着る服を作っている工場労働者の間の地理的距離がどれほど離れていても、この人たちが生身の人間で、私たちと同じように少なくとも生活の基本である食料や住居、保健、教育を賄えるだけの仕事が必要だということをみんなに思い起こしてもらわなければいけません。」
残念ながらプライマークの倫理的な貿易を統括するキャサリン・カークさんは、私たちの求めに応じて今日面会し、プライマークに倫理的な行動規範を満たすよう促す嘆願書を受け取ることも、代表を送ることもしませんでした。
近々私たちは、皆さんや、今日嘆願書を受け取ってくださった何百人もの買い物客の皆さんに署名をお願いすることになるでしょう。そうすればカークさんも会ってくれるかもしれません。私たちはカークさんが事業のやり方を良くするお手伝いができます。彼女をバングラデシュに案内して、現場の状況改善のための対話路線を築くお手伝いも喜んでします。考えが甘いでしょうか。労働者の状況をよくすることは、プライマークやその他のファスト・ファッションのブランドが望んでいることではないでしょう。むしろ問題が消え去ることを願って、見て見ぬ振りをしたいと思っているのでしょう。
今日トゥーティングで明らかになったように、問題は消え去りません。人びとはますます現状に違和感を覚え、貧困や環境問題の解決策に自ら関わっていきたいと願っています。
デモのビデオをご覧ください。抗議の理由についてもっと詳しく説明しています。
- プライマークにもっとお金を払わなければいけない + そのお金が確実に労働者まで「届く」よう見届けなくてはいけないわけ
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衣料産業で働く人びとの権利を求めて運動している、バングラデシュ衣料産業労働者組合連合(NGWF)の代表、アミンさんとサフィアの対談です。ファスト・ファッションの本当のコストという厳しい現実について話しあいます。
サフィア:プライマーク(イギリスの激安ファスト・ファッション・ショップ)のような会社が、どれくらいの数の工場から調達しているのかわかりますか。
アミン:バングラデシュにある50から100ほどの工場です。
サフィア:このような衣料品工場の労働者からは、どんな問題を耳にされますか。
アミン:長時間労働です。9時間労働ではなく超過勤務を強制され、14時間とか18~20時間、徹夜勤務さえあります。また稼ぎは1ヶ月当たり5,000タカの生活賃金を下回っています。
サフィア:このような長時間労働で、どのような健康上のリスクがあるのでしょうか。
アミン:朝8時から翌朝4時までということはたった4時間しか休みがないということです。自宅に戻る時間やシャワーや食事の時間を引くと睡眠時間は2時間しか残りません。女性労働者は家事もこなさなくてはならず、一層厳しい状況です。
サフィア:収入が全くないより「いくらか」の稼ぎがある方がましだと言う人もいます。あるいは、給料がどんなに低かろうと給料がないよりましだとか、売春などをして働くよりましだと言う人もいます。
アミン:低賃金は賃金がないよりましだというように答える人たちは、頭がどうかしています。工場労働者は衣料品を生産します-そして消費者としてみなさんは自分が購入する衣料品の生産者に責任があります。消費者は自らにこう問わなくてはいけません。私のために働いている人がなぜ半分の昼食で済ませているのか、なぜスラムで暮らしているのか、なぜ私のために安い服を作ることで長時間労働をし、病気になっても治療を受けられずにいるのかと。ビジネスの仕組みについてもっと認識を高めなくてはいけません。消費者はプライマークのトップスを買い、お金を払っているのですから、プライマークが現地の工場にどれくらい支払っているか知る必要があります。7ポンドのシャツの場合、現地の工場オーナーに支払われるのは1~1.5ポンド(約150~220円)に過ぎないでしょう。その1.5ポンドのうち、労働コストとして労働者に支払われるのは7~8%でしょう。
衣料品が安すぎると、工場はそのしわ寄せで労働者に適切な賃金を支払えなくなります。消費者が製品の金額を上げてその恩恵を労働者に回すようプライマークに働きかければ、たとえ数パーセントの値上げでも、大きな変化となり労働者の状況を改善することができます。しかも、製品の価格の上昇はほんのわずかです。
またファッション企業は、間接コストを下げることで労働者の手にわたるお金を増やすこともできます。5つ星ホテルでバイヤーをもてなしたり、時に5つ星ホテルに泊まる費用を支払う必要もありません。労働法を守らない政府の労働省に賄賂を送る必要もありません。労働権を侵害しやすくするために政党に賄賂を送ることもありません。
サフィア:衣料労働者の労働基準や労働条件はこの2年で良くなったのでしょうか。
アミン:いくらかは前進していますが、わずかです。「コンプライアンス・オフィサー(法令順守監視担当官)/マネージャー/ディレクター」と呼ばれる人たちがいますが、ほとんど訓練も受けず、スラム街を訪ねて労働者の現実の状況を見ようとはしません。労働組合の組織を巻き込んで労働者とコミュニケーションをとるよう、彼らにやる気を起こさせなくてはいけません。
サフィア:そのコミュニケーションを高めるためにはどんな対策がありますか。
アミン:解決策の一つは、企業が労働組合に下請け工場のリストを渡し、各工場での労働違反のリストを出してもらいます。そして労働組合、工場経営者、ファッション企業の代表で構成する委員会を作ります。こうすればたった1ヶ月ほどで全員が現場の現実を理解し、一緒に解決策を編み出すことができます。
サフィア:NGWFは、これまでにもこのような形で既存のファッション企業と仕事をしてこられたのですか。
アミン:テスコやウォールマート、GAP、H&Mは監査会社を使ってやらせています。ただ報告が欲しいだけで、本当の意味での改善を願ってはいるのではありません。
サフィア:ベスト・プラクティス(最良の慣行)を行っている事例はありますか。
アミン:まだありません。
サフィア:労働者の人権を犠牲にファスト・ファッションは高収益を上げています。プライマークなどは、昨年2億3,000万ポンド(約345億円)もの収益を上げました - 公正だとはとても思えません。
アミン:消費者はこのような労働者が作っている製品を買っています。収益が何百万ポンドにもなるなら、その一部は人びとの暮らしを良くするために使うべきだし、それが彼らの道義的な義務でしょう。
消費者は、途上国の衣料品工場の労働者のとんでもない暮らしや労働条件についてもっと認識を高めるべきです。現場の状況に対する認識が消費者の間でもっと高まれば、人間らしい貿易を行うよう、企業に働きかけるでしょう。
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オーガニック・スキンケアブランド「Jo Wood Organics」設立者のジョー・ウッドが書いた、バングラデシュでピープル・ツリーが行っているフェアトレード・プロジェクトと、首都ダッカ、ベグム・バリのスラムの訪問記はこちら。短いビデオもあります(英語)。上段左:バングラデシュのベグム・バリのスラムを訪ねるジョー・ウッド 右側2枚:200人がトイレ2つとシャワー1つ、料理用コンロ3台を共同で使用しています>
下左:竹製高床式の一部屋の広さは、一般的は浴室程度。家賃は平均的な衣料産業労働者の賃金の半分











