- エコトリシティー・ミーツ・エコファッション
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風力発電などの環境にやさしいエネルギーに投資する電力会社、エコトリシティー の設立者デイル・ヴィンスさんに会ってお話を聞いてきました。
サフィア:どうしてエコロジーなのですか? 何がきっかけでエコトリシティーを始めたのですか。なぜグリーン・エネルギーなんでしょう?
デイル:世界を変えたかったのです。私自身が、環境にあまり負荷をかけない暮らし方をしていました。10年間ほど社会からドロップアウトして、バスやトラックを住処にして自分で必要なものを作ったり直したりしながら暮らしていたのです。ほとんど自給自足で外部への影響は非常に少なかった。10年が過ぎようとした頃、ちょっとひらめいたのです。個人的には非常に多くのことをやり遂げていたけれど、もし社会に戻って大きな風車をつくったら、もっと達成できることがあるだろうと思ったわけです。そのころすでに、小さな風車を何台か使って自宅の電力を賄っていました。
サフィア:初めて風車をつくったのは、いつ頃でしたか? 8歳頃だなんて言わないでくださいよ。
デイル:いや、1996年でしたね。
サフィア:何歳でしたか。
デイル:そうですね、35歳でした。
サフィア:かなり長い間グリーンな暮らしをしていたんですね。インスピレーションのもとは誰ですか。
デイル:自分だけですよ。13歳のとき、道路を走る車を見ていたのを覚えています。ずいぶん昔だから今よりずっと車の数は少なかったけど、どれだけの燃料がタンクに入っていて、どれだけ燃焼しているんだろうと考えていました。燃料は限りのある資源だと思って、だれもそれを問題にしていないのはどうしてだろうと考え始めたんです。乾電池などを使い捨てすることが心配でしたよ。エネルギーは貴重なはずなのに、たった1回使うだけでみんな気にせず燃やしていましたから。
サフィア:若い男の子には珍しいですよね。私には16歳の息子がいますけど、オーガニックや持続可能性、公正について考える機会がとても多い家庭で育ったにもかかわらず、フェラーリの写真を見て「格好いいよな、最高!」と言っていますよ。これは過渡期で半年もしたら抜け出せるといいのですけどね。
デイル:私は、まだ抜け出せていませんよ。
サフィア:ああ、そうでしたね。レース用の車を造られるのでしたね。そうやって、自分の中の男っぽいマッチョな面を満たしているんですか。
デイル:そうですねえ。ガソリン・ヘッド(車に夢中)な面と、ツリー・ハガー(環境保護運動家)な面の二面性があるみたいです。
サフィア:わたしも、同じことをファッションでしているのでしょうね。 デイルさんがご自分の作ったモデルをもとにどうやって大きな規模に拡大されたのかとっても興味があります。グリーン・エネルギーは、ベンチャー投資家が他の多くのことに比べてずっと速やかに取り組み出したモデルでしょう。その理由の一端は、カーボン・クレジットと、それをめぐる資本システムの進展によるのではないかと思います。それにしても、どうやってロビー活動をして注目を集めたのですか。
デイル:「実行する」につきますよ。グリーン電力という考え方を1995年に自分たちでつくったのです。世界にはそれまでなかった考え方で、どこでも買えませんでした。そこで、我々が初めてイギリスで供給に乗り出したのです。実際に「やって見せる」ことが大切だと確信しています。エネルギー省の大臣や人びとが次々と私に連絡してきたり会いに来たりして、「どうやってやるんですか?」と聞かれたものです。その意味では、私は、積極的なロビイストと言うよりは、反応型のロビイストだと思いますよ。周囲にコンセプトを広めることよりも、実際に自分でやることに重きを置いているんです。
サフィア:そうですか。では、あなたにとって最も難しいことは何ですか。説得するのがこれまでで一番難しかった人は、誰ですか。うまくやるためにどんな手段をとったのですか。
デイル:誰か特定の人を説得しようとしたことはありません。一番難しい人たちというのは、「反・風力(アンチ・ウィンド)」の人たちです。人口の割合から見ると、ほんの一握りの少数派ですが、とても声高に抗議する人たちですから。
でも、特定の個人や組織を説得しようとしたことは、これまで一度もありません。とにかく自分たちで乗り出してやってしまったんです。だれかを納得させようということには関心がなくて、実際にやることにしか興味はありません。ですから、そういう意味では、私たちがその当時にトリオドス銀行と提携できたことは幸運でした。グリーン電力が成功することを説明したりしなくてもよかったですから。トリオドス銀行には、個々のプロジェクトが経済的であることと、借金を返済できることを示せばよかったのです。電力会社にグリーン電力の価値を説明して関心を持ってくれるように説得することは諦めました。その代わりに、自分たちで電力の使用者に、直接「みなさんは、違う種類の電力はいりませんか」って訊いたんです。そうしたら、みんなが欲しがっていることがわかりました。サフィア:では、トリオドスが最初から協力していて、同じような考えのもとに、デイルさんのようなビジネスを支援したいと思っていたわけですね。ピープル・ツリーは500~800人の手織り職人を雇っていますが、何か助言をお願いできますか。手織り機は、1台あたり大気へのCO2排出量を年間1トン削減しているんですよ。
デイル:すばらしいですね。
サフィア:電動の機械を使って生産するよりずっといいでしょう。私たちが力を入れて主張してきたことは、世界の人口が増加を続けるなか、唯一豊富にある資源は、人の手だということです。やりにくいのは、オーガニック農法では、1エーカーあたり年間1.5トンのCO2を土壌に取り込むことができるという、ロデール研究所(Rodale Institute)が公表した数値がありますが、手織り機のCO2削減については、まだ数値が一般に公表されていません。1,000万人以上も手織り職人がいて、1台150ポンドの手織り機を使って働けば日々の糧を稼ぐことができるという実に素晴らしい実例であるのに、それを開発の機会としてとらえる動きがないのはもどかしいことです。しかしフェアトレードでは、布地のデザインや商品開発、市場へのアクセス、それに伴う技術的支援などの面で関わることで、彼らの収入を倍増することが可能です。手織り、またグリーン・エネルギー、あるいは人間エネルギーとしてとらえたときに、賛同の善意を集めたり、経済モデルとして何らかの支援を得られるようにするにはどうしたらよいか、何か助言をいただけますか?
デイル:いま思いついたのは、手仕事によるカーボン・クレジットをうまく機能させるチャンスであるということです。年間1トンでも1.5トンでも、価値が上がっていくだろうと思います。そのためには、炭素取引を通して現在できつつある地球規模の枠組みの中で、手仕事のカーボン・クレジットを認知させる必要があります。あるいは、「この企業には余分に支払うよ。炭素排出を減らす恩恵があるからね!」と言って認識してくれるような自発的な支援組織を見つけることです。
サフィア:炭素のオフセットはどうしているのか、みんなに聞かれるんですよ。私たちは手仕事やオーガニック・コットンを使っているんですよ、冗談でしょうその質問は・・・って返事しますけどね。これ以上のベスト・プラクティスはないだろうと思いますよ。だって世界でもおそらく一番環境への影響が少ない人たちと仕事をしているのですから。
デイル:そうですね。私は、オフセット支持派ではありませんけど、あなたたちと同じように、かつては私たちも、環境政策はお持ちですか?なんてよく訊かれたものです。
サフィア:そうですよね。「ありますよ。そのために毎朝起きているんですから・・・知らなかったんですか」って、思わず言いたくなりますよ。
サフィア:もうじきアースデイ(4月22日)です。イギリスでもヨーロッパでもあまり知られていませんね。日本では、17、18年前にピープル・ツリーの初期の活動を始めましたが、アースデイは毎年大規模なイベントで、私たちも世界フェアトレード・デーを5月に開催する以前は、盛大にお祝いしたものです。エコトリシティーでは、アースデイに何かするのですか?
デイル:正直言ってまだわからないのですが、私はピープル・ツリーのオーガニック・コットンのTシャツを着ますよ!



